旭化成、セオラス製造拠点 水島製造所内に新工場建設

2021年01月19日

ゴムタイムス社

 旭化成は1月13日、マテリアル領域における添加剤事業の強化拡大を図るため、岡山県倉敷市の水島製造所内に結晶セルロース「セオラス」の第2工場を建設すると発表した。着工は2021年9月、竣工は2023年春の予定。

 同社のスペシャルティソリューション事業本部添加剤事業部では、医薬品等で主に錠剤の賦形剤として用いられる結晶セルロース「セオラス」を宮崎県延岡市において1970年より製造し、国内外に販売している。

 同社では、主用途である医薬品錠剤向け需要は今後も国内外で堅調に推移すると予想しており、将来的な供給能力の拡充が必要と捉えている。中でも、同社独自の高機能グレードである「KGグレード」「UFグレード」は国内外で高く評価されており、その需要も大きく伸長していることから、特に供給力の強化が求められている。

 成形性に特化した「KGグレード」、成形性と流動性を両立させた「UFグレード」を使用することで、飲みやすい錠剤の設計、錠剤の小型化、複数薬物の合剤化、錠剤生産性の向上等の効果を発現する。さらに、顧客の原料調達リスクを軽減する目的で、生産拠点複数化による安定供給力向上の要望も高まっている。

 同社は、上記2点の供給力強化ニーズを充足することを目的として、大幅な生産能力増強となる設備投資を同社水島製造所内で実施することとした。

 水島製造所は、生産・研究活動の中核拠点として、主に「アクリロニトリル」「スチレンモノマー」「超高分子量ポリエチレン」など多くの石油化学製品の製造を行っている。

 同社は2014年に国内石油化学事業の基盤強化を図るため、一部製品の生産設備を停止するなど、石油化学事業の構造改善を行った。空地となっていたエリアの有効活用、新たな事業創出は同社グループ全体の一つの経営課題だったが、今回の拡大投資案件は、製造プラントとしては、水島製造所における構造改善後初めての工場建設プロジェクトとなる。

 

「KGグレード」「UFグレード」の特徴

「KGグレード」「UFグレード」の特徴

セオラス形状と荷姿

セオラス形状と荷姿

 

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