*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
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ゴムコンサルタントの中国滞在日記
第2回 SARS、反日デモを経験
ゴムコンサルタント 宮本政義
中国駐在から7年目に三井物産100%出資のプラスチック専門商社「三井塑料貿易有限公司」設立にともない転籍、2003年から2009年まで現地生産複合樹脂の自動車分野への販売・技術営業の責任者として勤務しました。
自動車販売部隊は全員日本語OK!
2003年4月、私は上海三井複合塑料有限公司の仲間5人と三井塑料貿易有限公司に転籍し、新たに3名のデリバリー担当者を採用して自動車用樹脂コンパウンド材料の販売をスタートしました。華北は長春、北京、天津、済南、華東は南京、蘇州、杭州、寧波、華西は重慶、成都、武漢、華南は広州、中山、珠海を中心にスタッフとともに出張を開始しましたが、2002年11月に広東省で生じた発症例を発端として世界を震撼させた新型肺炎SARSが中国全土に広がり、会社から出張、外出の禁止令が出ました。ただ市内顧客だけは、先方が受け入れてくれた場合のみ総経理の承認を取り訪問しました。SARSによって多くの尊い人命が失われましたが2003年7月末には収束宣言が出され、顧客訪問を再開。まずは、顧客とのアポ、メール、携帯電話(まだ普及率は低い)、ポケベル(メインの連絡手段)とあらゆる手段で先方と訪問の日時を約束する毎日が続きました。
突然のキャンセルも……
飛行機や長時間にわたる車での移動(往復4~5時間の移動は普通)
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