販売減響き2社で営業損失 自動車部品5社の4~12月期

2021年02月24日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の21年3月期第3四半期連結決算は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、販売が引き続き減少し、いずれも減収でうち3社が営業損失となった。

 ◆豊田合成
 売上収益は5219億円で前年同期比16・3%減、営業利益は249億円で同298・4%増となった。日本は、コロナによる減販影響等により2604億円で同14・4%減。セグメント利益は徹底した経費や労務費の削減等に加え、前期にTGM全株式を外部に譲渡し事業整理損失を計上したことの反動により64億円の利益(前年同四半期のセグメント損失108億円)。米州は、コロナによる減販影響等により1453億円で同21・4%減、労務費削減はあったものの、コロナによる減販影響等により、セグメント利益は92億円で同23・3%減。アジアは、中国での主要顧客の生産台数増加はあったものの、その他地域でのコロナによる減販影響等により1388億円で同8・1%減、セグメント利益は中国での増販効果等により103億円で同7・5%増。欧州・アフリカは、売上収益が178億円で同39・4%減、セグメント損失は11億円(前年同四半期のセグメント損失45億円)。
 ◆NOK
 シール事業は、売上高は2078億3200万円で同14・0%減となった。営業利益は、人件費・経費の削減に努めたが、販売減少の影響により、114億8800万円で同37・3%減。
 自動車向けは、第2四半期連結会計期間に入り需要は回復したが、第3四半期連結累計期間を通し国内外の需要が落ち込んだことが影響し、販売が減少した。
 ◆住友理工
 自動車用品の売上高は2451億円で同17・8%減、事業利益は6億円の損失(前年同期は75億円の利益)となった。 日本はコロナの影響で自動車生産台数が減少し、消費意欲も冷え込んだ影響を受けた。米州、欧州は、積極的な経済支援策などで、想定していた自動車生産台数よりも回復が見られたが、車生産台数の減少が響いた。
 中国は増収増益。自動車消費刺激策等を背景に日系メーカーの自動車生産台数が増加。ただ、アジア地域全体では生産台数の減少し減収となった。
 ◆西川ゴム工業
 売上高は564億7400万円で前年同期比21・9%減、営業利益は20億4600万円で同62・3%減。
 日本は、車生産台数の減などで、売上高は318億4500万円で同21・0%減、営業利益は3億2900万円で同86・6%減。北米は、米国、カナダおよびメキシコでの車生産減などにより、売上高は141億6500万円で同27・7%減、営業損失は4億9300万円(前年同期営業利益3400万円)。東アジアも中国での車生産減などにより、売上高は89億7100万円で同3・5%減となったが、営業利益は原価低減活動が奏功し13億5200万円で同106・8%増。 東南アジアは、ASEAN地域での経済活動の回復の遅れで車生産減などにより、売上高は49億300万円で同43・2%減、営業利益は8億6700万円で同64・1%減。
 ◆フコク
 売上高は284億800万円で同25・3%減、営業損益が8億9900万円(前年同期は7億3900万円の営業利益)。主要顧客先である自動車産業は、受注回復がみられる地域もあるものの、大幅に操業が低下し、受注も大幅に減少した。
 機能品事業は、国内のワイパーブレードラバーなど回復傾向にある製品もあるものの、コロナの影響により受注は大幅に減少し、売上高が120億9400万円で同24・9%減。セグメント利益は4億800万円で同51・7%減。

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