ランクセスは1月28日、飲料用殺菌料「ベルコリン」を使用した微生物制御による飲料保存技術を用いて、アルコール入り炭酸水「ハードセルツァー」の効率的かつ費用対効果の高い安定化を実現したと発表した。
「ベルコリン」は缶詰め・瓶詰めの直前に飲料に添加される。有効成分は細胞壁に浸透して酵母・真菌・細菌の細胞内に入りこみ、必須酵素を不活性化して細胞を殺す。余ったDMDCは、数時間以内に飲料の水分と反応し加水分解される。この反応で生じるのは少量のメタノールと二酸化炭素だけであり、これらはフルーツ・野菜ジュースの多くやワインに元々含まれている天然成分。最終製品には「ベルコリン」自体の痕跡は全く残らず、従って、飲料の官能特性に全く悪影響を与えない。さらに、他の微生物安定化手段の削減ができるので、多くの飲料で飲料の味の改善がみられている。「ベルコリン」は、欧州、米国や他の多くの国において多種多様な飲料での使用が認可されている。
非常に少量の「ベルコリン」であっても即効性があり効果的であるが、的確な「ベルコリン」投与には信頼性の高い技術が必要となる。同社は、有効成分自体に加えて、適切で高度な投与技術およびサービスパッケージを提供し、顧客への導入支援を行っている。このパッケージは、技術的な質問への対応だけでなく、微生物学的分析や製造工場の監査といった応用技術のサポートまで含まれている。同社の「ベルコリン」投与ユニットは、新規および既存の缶詰め・瓶詰め工程に、容易に、かつ優れた費用対効果で統合でき、またオプションとしてオートメーション・ラインへの組込みも可能となる。充填速度としては、1時間あたり600から約7万2000Lの範囲で対応することができる。容器も汎用性が高く、「ベルコリン」は、ガラス瓶、ペットボトル、缶、パウチ(アルミニウムバッグ)、カートンなど、全ての容器タイプに適合している。この結果、あらゆる点での最大限の柔軟性が担保され、これは特に製品開発と市場化において極めて重要となる。