デンカは1月29日、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを一つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キット(以下、コンボキット)を開発し、体外診断薬としての国内薬事承認を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に同日申請したと発表した。
同コンボキットはイムノクロマト法により1つのデバイスで新型コロナウイルス抗原およびインフルエンザウイルス(A型およびB型)抗原を検出し、短時間で陽性・陰性の検出結果を識別する。新型コロナウイルス感染症とインフルエンザウイルス感染症は症状による見分けがつきにくいことから、両者を同時に判定できる同コンボキットの使用により、患者に対する適切な治療方法の適用及び医療関係者の負担軽減につながることが期待される。
同社は長年実績のある検査試薬事業において、インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―Flu2」をはじめアデノウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―アデノ2」などを展開している。加えて、昨年8月13日から新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―COVID19Ag」を発売し、販売提携先の大塚製薬とともに全国の医療機関に供給している。
「クイックナビ―COVID19Ag」は特別な検査機器を必要とせず、鼻咽頭ぬぐい液または鼻腔ぬぐい液中の新型コロナウイルス抗原の有無を約15分で診断するもので、一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査を行うことができることから普及が進んでいる。発売以降、抗原検査の拡充に貢献すべく、1日10万検査分の生産能力を10月から増強し、11月からは1日最大13万検査分の生産体制を構築した。
同社は感染症への対策を社会的責務と捉え、充分な供給体制のもと、一般の医療機関における新型コロナウイルス抗原検査のさらなる拡充に貢献していくとしている。