透明性を高めた活動を推進へ
㈱ブリヂストンの荒川詔四社長は11月30日、東京・中央区の本社で記者会見し 、2011年を振り返るとともに、経営の中核に位置づけるCSRについての考え方について言及した。本年は自然災害の脅威にさらされた1年であり、来年は欧米経済の減速懸念から不透明感が強まり、タイヤ・ゴム産業界を取り巻く環境は厳しさが増すと予測。こうした中で、荒川社長は「事業活動に沿ったCSR活動を実践、グループ各社における「CSR22の課題」を、より進捗させるため、 活動の透明性を高めていく」などと語った。
本年を振り返り、荒川社長は「円高の進行、原材料価格の高騰など不安定な状況が続き、東日本大震災の発生やタイの大洪水など自然災害に見舞われた1年であった」と総括。同社は今年創立80周年の節目の年で、新中計も立案、市場環境の厳しさが予想される中、2012年にはROA6%の達成を目指す方針だ。
「最近は不確実性の時代であり、組織としてのCSRと従業員一人ひとりのCSR、この2つの活動を両輪に活動のレベルアップを図ることが重要」(荒川社長)。
同社グループはCSR活動を推進するため、2007年に「CSR22の課題」を定めた。そして実践するための方向性、取り組み方法をインストラクションとして展開、さらに社会からの要請事項の変化を織り込み、定期的な改訂を加えて活動を進めている。
「CSRの取り組みは広範囲におよび、一人ひとりの意識を高め、徹底させるもので、ハードルは大変高いものである。常に行動し、継続していくことが必要だと思っている」(荒川社長)と述べた。
グローバル展開におけるCSRの位置づけについては「各事業体がバラバラに経営するのではなく、チームとして整合性のある戦略を進めることが大切」(荒川社長)とし、この点がここ数年の間で改善、基本方針のもとに事業が動くようになり、CSRの質の向上も図られたと評価した。
「国、地域によって味付けが異なる面はある。しかし、どのSBUでも規定演技に自由演技を加え、各事業体に合った活動を進めていくことで、さらに前進させていきたい」(荒川社長)。
新中計についての取り組み状況について、荒川社長は次の通りコメントした。
「グループの幹部のみならず、一般社員も使いこなせるようになり、大きな手応えを感じた。さらに上をというキャッチフレーズを私は社長就任時から言っているが、色々な面でまだ頑張れる、経営は高い意欲を持つ必要があり、社員も一丸となって動けばさらに力を発揮できると確信している」