宇部興産は2月1日、京セラとの合弁会社である京セラ宇部RFテックの全株式を1月28日に京セラに譲渡したと発表した。
大容量・低遅延・多数接続を可能とする5G移動通信システム市場は、今後一層の成長が見込まれている。同社は2019年12月に通信部品であるセラミックフィルタの製造を手がける100%子会社「ユー・イー・エル」の株式51%を京セラに譲渡し、ユー・イー・エルのフィルタの設計技術力と、京セラの生産技術力やグローバルな営業力を融合させることでさらなる事業拡大を目指してきた。
5G通信システム市場は想定通り拡大しているが、市場変化のスピードに合わせて迅速な意思決定が要求されている。また、製品形態もセラミックフィルタなどの部品単体ではなく、部品を組み合わせたシステムとしての重要度が増しており、より幅広い技術や知見が要求される傾向にある。
このような状況を鑑みて、同社は、京セラ宇部RFテックは今後、京セラの5Gに関連した通信事業との連携を一層強化し迅速に開発を進める必要があり、その事業運営を京セラに全面的に任せることが望ましいと判断し、同社が保有する京セラ宇部RFテックの株式を全て京セラに売却することとした。