工業分野で売上げ23%減 積水化成品の4~12月期

2021年02月04日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業の21年3月期第3四半期連結決算は、売上高が862億8700万円で前年同期比16・6%減、営業利益は11億6800万円で同54・9%減、経常利益は10億8100万円で同54・9%減、四半期純利益は6億1000万円で同59・9%減となった。

 セグメント別では、生活分野は、売上高が411億9100万円で同7・1%減、セグメント利益は28億3300万円で同13・9%増。食品容器関連では、新型コロナウイルス感染症拡大影響により、内中食関連向け需要の拡大傾向が続いており、好調に推移した。水産関連は漁獲高減少に加え、飲食店向けの需要減により低調となったが、農産関連は総じて堅調に推移した。土木関連では、道路冠水対策や雨水処理用途で採用されているアクアロード部材が軽量盛土浮力対策の用途として物件獲得が進んだ。主力製品のエスレンシートの売上数量は、巣ごもり需要の拡大から、スーパー等の生鮮食品用トレーの需要増に加え、保温性等に優れたテイクアウト容器用途としての需要が伸び、全体として前年同期比伸長した。エスレンビーズの売上数量は、消費者の在宅時間の増加によりライフグッズ用途の販売が好調を継続したものの、主要用途である水産分野を中心に前年同期比で減少するなど、総じて低調に推移した。利益面では、生活分野全般において本感染症による需要減少のマイナス影響が続いたが、エスレンシートの販売が好調であったことに加え、原価低減や固定費の削減などの徹底したコストダウンに取り組み増益となった。

 工業分野は、売上高が450億9500万円で同23・8%減、セグメント損失は11億300万円となった。自動車関連では、同感染症拡大による年度前半の国内外の自動車メーカーの工場稼働停止等の著しい需要減少の影響を受け、自動車部材、部品梱包材用途のピオセランの販売が落ち込んだが、自動車メーカーの生産再開に伴い、後半は回復傾向に転じている。Proseatグループについては、低迷が続く欧州自動車産業の影響に、同感染症拡大の影響も加わり業績が大幅に悪化した。家電・IT関連では、ピオセランを使ったパネル搬送資材・梱包材用途は本感染症により減少の影響を受けたが、テクポリマーは液晶パネル等の光拡散用途では、在宅勤務等によるPC・モニターの需要増などで堅調に推移した。医療・健康関連ではエラスティルを使ったランニングシューズのミッドソールにおいて、各国における外出自粛などの行動規制が強化され、販売伸長に影響があったが、エラスティルBIOの販売などもあり、回復の兆しが出始めている。テクノゲルは、米中の貿易摩擦や同感染症拡大による需要減の影響を受け低調な推移となった。利益面では原価低減や固定費削減に取り組んだが、販売低迷による限界利益の減少を補えず、損失となった。

 通期予想は直近に公表されている業績予想からの修正はなく、売上高は1160億円で前期比14・8%減、営業利益は20億円で同46・3%減、経常利益は16億円で同52・8%減、当期純利益が10億円で同57・0%減を見込んでいる。

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