ランクセスは2月3日、今後3年間をかけてオペレーションと保守管理の分野でのモバイル化を進めると発表した。同社は、製造プラントでのデジタル化を推進している。
まずは製造オペレーションおよび保守管理において毎年約40万件が使用されている紙のチェックリストをデジタル版に置き換え、チェックリストへの記入はタブレットPC上で行うようにする。この段階では、ドイツ、ベルギー、米国にある同社の65のプラントが新しいプロセスに移行する。
同社の製造プラントにおけるチェックリストのデジタル化は、シーメンスがサポートしている。シーメンスは、Moby.Checkというソフトウェアを使用している。このソフトウェアはタブレット上で作動し、キーボードまたは音声コマンドで操作可能となる。柔軟性の高い操作コンセプトを有し、ユーザーは生産・サービス・保守管理のチェックリストを普段使っているPCで作成できる。その際、事前のプログラミング作業やトレーニングは必要ない。
化学プラントを円滑かつ安全に稼働させるためには、恒常的なシステムチェックが不可欠となり、化学業界では、紙ベースのチェックリストが今でも一般的で、チェック実施後、データはITシステムに転記・転送され、紙の原本は長年にわたって保管されていた。
一方、Moby.Checkのデジタルチェックリストは、同社の管理やリソースプランニングの様々なシステムに直接接続されている。様々な作業プロセスが、システム上においてエンドツーエンドで統合されることで、作業の重複防止に役立つ。さらに、テンプレートとインターフェースによってデータの正確な転送が確実に行われ、また、自動アーカイブの仕組みによってチェック作業の法的セキュリティが向上する。
同社は2017年にデジタル化の取組みを開始し、専任チームを立ち上げている。