三菱ケミカルは2月4日、バイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」における塗装工程が不要なメタリックカラーを、グレードラインナップに追加したと発表した。ダイハツ工業の「ロッキー」等複数車種の内装材に採用が進んでいる。
デュラビオは、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐熱性・耐候性などの点で従来の一般的なエンプラよりも優れた物性を有している。また、発色性が良く、顔料を配合するだけでつややかで光沢のある表面を作ることができる。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくい特長があるため、塗装・コーティング工程が不要となり、製造時に塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減することができる。これらの特性を活かし、自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいる。加えて、デュラビオは、表面に付着した菌が残りづらい物性も有しており、新しい生活様式においても需要の増加が期待される。
今回採用されたメタリックカラーの部品は、デュラビオの透明性を活かし、顔料による着色のみで高輝度で高級感のある風合いを表現し、従来比でVOC低減および加工時間短縮を実現した。
同社は今後もデュラビオの研究開発を加速させ、環境に優しいクルマづくりに貢献していくとしている。