車不振でエンプラは減収減益 ダイセルの4~12月期

2021年02月09日

ゴムタイムス社

 ダイセルの21年3月期第3四半期連結決算は売上高は2813億5900万円で前年同期比10・0%減、営業利益は187億2600万円で同17・3%減、経常利益は202億2300万円で同16・7%減、四半期純利益は112億3400万円で同141・7%増となった。
 セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は、1211億6100万円で同9・9%減、営業利益は140億4400万円で同12・3%減となった。
 ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチック事業は、次世代通信用途での需要が増加したものの、自動車生産台数の減少やスマートフォンの需要低迷などにより減収となった。ABS樹脂、エンプラアロイを中心とした樹脂コンパウンド事業は、自動車生産台数の減少や住宅着工件数の減少などにより減収となった。シート、成形容器、包装フィルムなどの樹脂加工事業は、包装フィルムの販売減少などにより減収となった。
 マテリアル事業の売上高は749億100万円で同8・0%減、営業利益は108億6400万円で同0・8%減となった。
 酢酸は、需要の減少や市況の下落などにより減収となった。酢酸誘導体は、一部製品の需要増加により販売数量が増加したものの、酢酸市況の下落などで販売価格が低下したことにより減収となった。アセテート・トウは、海外主要顧客での原料確保の動きなどもあり、販売数量は横這いで推移したが、為替の影響などにより販売価格が低下し減収となった。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、一部用途での需要の回復が見られるものの、欧州市場やFRP向けなどの需要が引き続き低調であることから販売数量が減少し、減収となった。
 通期の連結業績予想については、直近に公表した業績予想から修正し、売上高は3880億円で前期比6・0%減、営業利益は280億円で同5・5%減、経常利益は295億円で同7・2%減、当期純利益は180億円で同261・5%増を見込んでいる。

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