住友ゴム工業は2月5日、省エネルギーセンター主催の「2020年度省エネ大賞」で、ダンロップのフラッグシップ低燃費タイヤ「エナセーブ・ネクストⅢ」が製品・ビジネスモデル部門で資源エネルギー庁長官賞を受賞したと発表した。
今回の受賞は、「①開発プロセス②先進性・独創性③省エネルギー性④省資源性・リサイクル性⑤市場性・経済性⑥環境保全性・安全性」の6つのポイントから評価され、輸送分野での選出となった。同社の独自技術によって新素材を採用し、軽量化と操縦安定性を同時に実現したことで、今後のさらなる省エネ性能向上の可能性を広げたとして高く評価された。
受賞トロフィーを受け取った村岡清繁同社常務執行役員は、「材料メーカー様や開発担当者の努力によって、新材料の採用における多くの課題を解決し、商品化することができた。サステナブルな社会の実現に向けてさらなる汎用化を目指していく」と今後の開発に向けての意気込みを語った。
「エナセーブ・ネクストⅢ」は、これまでタイヤに用いていたポリマーとは全く異なる「水素添加ポリマー」を採用し、ウエットグリップ性能の低下を大きく抑制することで、新品時の性能が長く持続する。さらに同社は、高機能バイオマス材料であり国が重点産業として推進している素材「セルロースナノファイバー」を世界で初めてタイヤ用ゴムに採用した。これらにより、タイヤラベリング制度において最高グレード「AAA―a」を達成し、ライフサイクルアセスメントの観点からも環境負荷低減に貢献している。
同社は今後も安全・安心なタイヤを通して事故のない未来を実現するべく、タイヤ開発および周辺サービス展開のコンセプトである「スマートタイヤコンセプト」のもと、顧客のニーズと環境への配慮を両立させた商品開発を推進していくとしている。