ゴム用機械特集 日本ロール製造 修理・改造等の需要増狙う 顧客への提案営業で営業強化

2021年03月01日

ゴムタイムス社

  日本ロール製造(東京都江戸川区、青木要助社長)の機械ロール事業部は、ゴムやプラスチック加工機械の専門メーカーとしては国内最大の実績を誇る。

 同事業部はプラスチック加工機械をはじめ、タイヤなどのゴムを混練するゴム機械や金属圧延機械、二次電池加工機械などを製造し販売。主にカレンダーロール、ミキシングロール、インテンシブミキサー、ストレーナなど多岐に渡っている。

 20年9月期の機械ロール事業部の需要動向を振り返ると、「上半期の10~12月の需要は厳しかったが、それ以外の月は堅調に推移した。下半期では5月まで受注状況は良かったものの、6月に入り新型コロナウイルスの影響などにより落ち込みが見られた」(同)ことで、売上、利益とも若干の減収減益となった。ただし、同社全体の業績としては、テーロン建材事業部が堅調に推移したため、機械ロール事業部の落ち込みをカバーし、前年を上回る結果となった。

 足元の動向では「昨年10~12月の需要は、前年同期よりも動きが良かったが、1月は厳しい状況だった。また従来、2~3月はお客様の予算の関係で案件が増えているが、お客様の設備投資意欲が低下している」(同)とし、予断を許さない状況が続いている。

 同社の新型コロナウイルス感染拡大の対策については、同事業部の工場は交代勤務制を行い、一部在宅勤務を実行するなど、徹底したコロナ対策を取りながらユーザーの要望に応えていた。

 最近の傾向として、国内は新規の需要よりも主要取引先の修理・改造を中心とした需要が多い傾向だ。国内シェアを大きく占める同事業部にとって、コロナ禍においても修理やメンテナンス、オーバーホールの需要は取りこぼしなく獲得していく考えを示しており「今期も前期に引き続き、修理や改造などの需要を、お客様のニーズに合わせて対応していく」(同)としている。

 そのためにも、同事業部の課題のひとつは、組織の若返りを図り、若手エンジニアの人材育成に注力していくことだ。また現場のメンテナンスなどを行う人材確保のため、毎年人材を採用している。人材育成や確保について「一時期、不定期に採用活動を行っていたため人材確保に苦労した。そのため、現在は継続的に採用することが技術継承を行う上で大切だと考えている」(同社)姿勢を見せている。

 また、今期から営業の人材を補充し「機械業界は受注産業のため、弊社からお客様に提案することでお客様のニーズを拾い、販売増につなげていきたい」(同)方針だ。

 同事業部ではユーザーが社内で試験できない状況を踏まえ、以前から独自の技術を生かした3つの試験研究設備を常設している。最近ではコロナ禍で試験ができないユーザーからのテスト案件が増え、新素材の案件などもあるという。これを機に「最終的に機械の購入につなげていきたい」(同)とし、営業をさらに強化していきたいとしている。

工場で徹底したコロナ対策を取り込む

工場で徹底したコロナ対策を取り込む

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