北米SUV用で能力増強 住友ゴム、209億円投資

2021年02月10日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は、販売好調が続く北米市場の需要増加に対応すべく、増産投資に踏み切る。SUV用、ライトトラック用タイヤ市場向けに米国工場では101億円、タイ工場、宮崎工場の両拠点で総額108億円の増産投資を実施する。2月9日にオンラインで開催した決算説明会で山本悟社長が明らかにした。今回の投資により米国の現地生産と日本・タイからの供給能力はSUV用タイヤを中心に年間380万本に拡大する。

 北米市場では、同社のファルケンブランドのワイルドピークを中心とする高機能タイヤがコロナ禍で需要が減退するなかでも販売は順調に伸びている。「北米の市販用乗用車タイヤにおける20年のファルケンブランドのシェアは全体で5位にアップした」(山本社長)と評価した。また、米国工場の生産性改善にもメドが立ったことから、「今回の増産投資を決めた」(山本社長)と強調した。
 具体的には、米国工場では乗用車・ライトトラック用タイヤの生産能力を現在の日産6500本から23年末までに日産1万2000本(年産180万本)に増強する計画だ。また、米国工場では順調に販売を伸ばすトラック・バス用タイヤの生産能力も約27億円を投資し、現在の日産1750本を24年末までに日産2300本に増強する。この結果、米国工場における生産増強、生産性向上のための総投資額は約128億円になる計画だ。現地生産を強化し、販売リードタイムを短縮することで、一層の拡販につなげる。
 米国工場での生産増強に加え、同社の世界最大のタイ工場と宮崎工場でも既存設備をSUV、ライトトラック用生産設備に置換する。タイ工場では23年までに日産4150本(年産145万本)、宮崎工場では24年までに日産1600本(年産56万本)の生産置換を行い、好調な北米市場での販売拡大をサポートしていく方針だ。

米国工場

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