住友ベークライトの21年3月期第3四半期決算は、売上収益が1490億3500万円で前年同期比5・5%減、事業利益は115億2500万円で同6・8%減、営業利益は、川澄化学工業株式会社の子会社化に伴う負ののれん81億円を計上したこと等により185億6000万円で同61・5%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は117億9300万円で同18・1%増となった。
セグメント別では、半導体関連材料は、売上収益が410億3400万円で同8・2%増、事業利益は66億4800万円で同6・0%増。主力製品である半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、5G通信関連需要の増加に加え、リモートワークの推進拡大にともなうパソコンやWi―Fi等の通信機器の販売増加、家庭用ゲーム機の出荷増をうけ好調に推移した。さらに自動車市場の回復にともない、車載用途での販売が急増し、増収となった。感光性ウェハーコート用液状樹脂は旺盛なメモリー需要をうけて堅調に推移した。半導体用ダイボンディングペーストは、国内拠点に加え、中国子会社の生産・販売が順調に増加した。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、スマートフォンの新機種採用増等で売上収益を増加させた。
高機能プラスチックは、売上収益が511億3900万円で同20・8%減、事業利益は19億400万円で同43・9減。新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上収益が減少したが、中国市場における自動車生産・販売の拡大継続に加え、米国・欧州での自動車販売が好転したことにより、10~12月期は中国市場に加え日・米・欧の全拠点で売上収益の水準を大きく改善させた。高機能プラスチックセグメントにおいては、自動車関連用途の回復に加え、航空機内装部品子会社の抜本的な構造改革を行ったことにより、黒字復帰を果たした。
クオリティオブライフ関連製品は、売上収益が564億4800万円で同3・1%増、事業利益が51億6400万円で同3・7%増。医療機器製品は、川澄化学工業を連結子会社に加えたことにより、売上収益は大幅に増加した。バイオ関連製品は、新型コロナウイルス検査に関連したプラスチック容器類の需要増大、PCR検査関連部材の売上が増加した。鮮度保持フィルム「P―プラス」を含む食品包装用途は、外出自粛影響による巣ごもり消費の増加により販売を伸ばした。電子部品搬送用のカバーテープなど産業用フィルムも販売は堅調に推移した。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、飛沫防止板、医療用ゴーグル等での販売増加はあったものの、主力の土木建材向けやエクステリア用途が減少した。
21年3月期の連結業績予想は、売上収益が2065億円で前期比0・1%減、事業利益は150億円で同4・6%増、当期純利益は110億円で同22・4%増を見込んでいる。