住友ゴム工業は2月9日、独自のタイヤセンシング技術「センシング・コア」を進化させ、タイヤの摩耗量を検知する技術を新たに確立したと発表した。従来から検知可能であったタイヤ空気圧・荷重・路面状態に加えて、タイヤ摩耗が検知できるようになったことで、今後益々進展していくCASE/MaaSといったモビリティ社会に貢献していくとしている。
同社独自の「センシング・コア」は、タイヤ開発で培ったタイヤの動的挙動に関する知見と、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析するデジタルフィルタリング技術を融合させることで、タイヤに関する様々な状態を検知する。タイヤそのものをセンサーとして利用するため、タイヤへの付加的なセンサーの追加を必要とせず、メンテナンスフリーであるというのが大きな特長となっている。さらに、車輪速信号などの必要な情報をクラウドにアップすることで、クラウド上で検知することも可能となる。
今回、これまでの開発で得られた知見を元に、車輪速信号とエンジンなどの情報からタイヤのトレッド剛性を算出することで、タイヤ摩耗量の検知が可能となった。この新たな技術によって、ドライバーへタイヤの摩耗状態を提供することが可能となる。また、得られた摩耗状態をクラウド経由で集中管理することで、モビリティサービスや運送事業者などの安全運行やメンテナンスコストの大幅な削減などへの応用が見込まれる。
同社は、CASE/MaaSなどの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ開発および周辺サービスのコンセプト「スマートタイヤコンセプト」を掲げてさまざまな技術開発を行っており、「センシング・コア」はその主要技術のひとつとなる。今後も『タイヤがクルマとつながる、人とつながる、社会とつながる』をキーワードとして、安全・安心なモビリティ社会の実現に向けて、同社独自の価値を提供し続けるとしている。