東ソーは2月9日、ペースト塩ビ樹脂を3月1日納入分より、12円/kg以上値上げすると発表した。
ペースト塩ビ樹脂の基礎原料である国産ナフサ価格は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時大きく下落したものの、足元では経済回復を見越した堅調な需要と原油市況の高騰を背景に上昇している。諸経費においても、定期修繕日数の長期化に加え、プラント老朽化対策費用、国内物流費の上昇が重なり事業環境が大きく悪化している。
また、需給環境では、国内需要が徐々に回復傾向にある中で、新型コロナウイルス感染症対策として塩化ビニル製医療用手袋の世界的需要は、極めて旺盛な状況が続いている。
このような環境下、同社は徹底したコスト削減に努めてきたが、安定供給継続のためには価格改定を実施せざるを得ないと判断した。