フィルム好調で15%増益 東洋紡の4~12月期

2021年02月12日

ゴムタイムス社

 東洋紡の21年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2438億7800万円で前年同期比1・7%減、営業利益は183億500万円で同14・6%増、経常利益は124億6000万円で同7・3%減、四半期純利益は2500万円で同99・6%減となった。
 セグメントのうち、フィルム・機能マテリアルは、売上高が1130億円で同25・0%増、営業利益は143億円で同34・9%増。フィルム事業が好調に推移した結果、前年同期に比べ、増収増益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは、新型コロナウイルス感染症の影響により業務用製品の販売等が減少した一方、巣ごもり需要は高まった。また、火災事故により一部の製品販売は減少したが、世の中の環境意識の高まりを背景に環境対応製品は販売を伸ばした。工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」が強い需要に牽引され、セラミックコンデンサ用離型フィルム「コスモピール」は車載用途の回復により、販売を伸ばした。
 機能マテリアル事業では、工業用接着剤「バイロン」、ポリオレフィン用接着性付与剤「ハードレン」は、電子材料用途を中心に回復傾向がみられたものの、第2四半期までの新型コロナウイルス感染症拡大の影響を補えなかった。一方、水現像型感光性印刷版を扱う光機能材料事業は、中国向けの販売が堅調に推移した。
 通期予想については、直前に公表されている業績予想から修正し、売上高は3350億円で前期比1・4%減、営業利益は230億円で同0・9%増、経常利益は160億円で同11・3%減、当期純利益は0円で同100%減を見込んでいる。

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