情報・電子化学品は増収増益 ADEKAの4~12月期

2021年02月26日

ゴムタイムス社

 ADEKAの2021年3月期第3四半期決算は、売上高が2138億4400万円で前年同期比2・1%減、営業利益は157億2400万円で同12・1%増、経常利益は151億6400万円で同13・9%増、四半期純利益は104億400万円で同2・9%増となった。

 化学品事業の売上高は1146億5300万円で同6・0%減、営業利益は131億2000万円で同2・7%減となった。
 樹脂添加剤は、自動車向けでは、第3四半期以降自動車生産の急回復に伴い核剤、光安定剤、ゴム用可塑剤の販売が回復した。建材向けでは、国内を中心に住宅着工数減少の影響を受け、塩ビ用安定剤の販売が低調に推移した。医療用途では、感染予防対策関連で一部需要の増大が見られたが、全体では伸び悩んだ。食品包装関連向けでは、透明化剤等の販売が海外を中心に堅調に推移した。自動車や家電、日用品等のプラスチック製品に幅広く使用される酸化防止剤は、価格競争の影響を受け販売が低調だった。家電筐体向けエンジニアリングプラスチック用難燃剤は、テレワークの広がりによるパソコン需要の拡大に対し安定供給を実施したことで、中国、東南アジア等で販売が堅調に推移した。
 この結果、樹脂添加剤全体では、前年同期に比べ減収減益となった。

 情報・電子化学品は、半導体向けでは、5G通信を中心とした旺盛な半導体需要を背景に、先端DRAM向け新製品の出荷が順調に拡大し、NAND向け製品の販売も堅調に推移した。EUVに代表される最先端のリソグラフィ工程で使用される光酸発生剤の販売も引き続き好調だった。ディスプレイ向けでは、巣ごもり需要に加えテレワークやオンライン授業などライフスタイルの変化に伴う液晶パネルや有機ELパネルの需要増もあり、光学フィルム向け光硬化樹脂、カラーフィルター向け光重合開始剤の販売が好調に推移した。また、ディスプレイ用エッチング薬液の販売も堅調だった。
 この結果、情報・電子化学品全体では、前年同期に比べ増収増益となった。

 機能化学品では、自動車向けでは、第3四半期以降、自動車生産の急回復に伴いエンジンオイル用潤滑油添加剤、特殊エポキシ樹脂や接着剤の販売が回復した。また、土木・建築や一般工業向けの界面活性剤、過酸化製品、プロピレングリコール類も堅調に推移した。化粧品・トイレタリー向けでは、国内の販売が引き続き堅調に推移したが、インバウンド需要の消失により、化粧品用特殊界面活性剤の販売が国内外で低調だった。
 この結果、機能化学品全体では、前年同期に比べ減収減益となった。

 21年3月期通期の連結業績予想は上方修正し、売上高が3140億円で前期比3・2%増、営業利益が240億円で同6・6%増、経常利益が240億円で同9・2%増、純利益が137億円で同10・0%減を見込んでいる。

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