横浜ゴムは2月12日、タイヤモールド(金型)生産会社であるヨコハマモールド(以下、YMC)が、ASEANでのサプライチェーン強化を目的にタイのグループ会社であるヨコハマモールド・タイランド(以下、YMTC)の生産能力を増強すると発表した。2021年1月に着工しており、同年末に完了する予定。
YMTCは2018年にタイのラヨーン県に設立、同社の日本、タイ、フィリピン、インドなどのタイヤ生産拠点に乗用車用およびライトトラック用タイヤモールドを供給している。今後、タイヤモールドの供給は日本のYMCと中国のパートナー企業の2拠点からに加えて、今回生産能力を増強するYMTCをより活用することでアジア3拠点体制を確立し、ASEANにおけるより安定的な供給を実現する。
同社は中国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インドなどにタイヤおよびMB(マルチプル・ビジネス)の生産販売拠点を多く有し、アジア地域における事業強化を進めてきた。今後も同社は、生産能力の増強やサプライチェーンの強化などを通じてASEAN諸国との相互発展に貢献していくとしている。
なお、同増強は独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の「海外サプライチェーン多元化等支援事業第三回公募(設備導入補助型)」に採択された。同事業は特にアジア地域における生産の多元化などによってサプライチェーンを強靭化し、日本とASEANの経済産業協力関係を強化することを目的としている。
YMCは2009年に茨城県小美玉市に設立し、乗用車用、ライトトラック用、トラック・バス用などの各種タイヤモールドを横浜ゴムグループ各社に供給している。