専門技術団体に訊く1 会長インタビュー
一般社団法人日本ゴム協会 竹中幹人会長
中小企業の会員に対するサービスを充実していく
日本ゴム協会は3大行事である年次大会やエラストマー討論会、そして夏期講座を開催し、年々参加者も増加している。19年を振り返りながら20年の方針、抱負などを竹中幹人会長に聞いた。
◆19年を振り返って。
19年は協会に若い世代の会員が増えてきた。4~5年前と比べると明らかに伸びてきている。その要因として、アカデミックでゴムを取り扱うための手法が発達してきていることがある。たとえば、東京工業大学の中嶋健教授が(AFM)原子間力顕微鏡ベースに、ナノメートルスケールで定量的な力学計測ができるようになった。また、中性子・ミュオンや放射光などのJ-PARC、SPRing-8などの大型施設を活用したゴムの測定技術が発展してきたことで、今までは困難であったゴムの複雑な多成分により形成される階層構造を厳密に解析することが可能となった。これらの測定技術の発達は、大学での研究の広がりを生み、年次大会やエラストマー討論会での若い学生の参加にも繋がってきているのではないか。また、これらの活用は大学だけでなく、企業も積極的に利用しているため、研究員の学会への参加に繋がっていると思う。
19年の活動については、3大行事(年次大会とエラストマー討論会、並びに夏期講座)の参加者が前年と比較して増えてきた。特に東海地区で開催された夏季講座は、例年を大幅に超える多くの方に参加していただいた。講演の先生が素晴らしかったこともあるが、学会の皆様も基礎的な勉強が必要と感じているのではないか。
国際化キーワードに海外に存在意義をアピール
◆今後の方針は。
中小企業の会員に対するサービスを充実していくことと、国際化に向けての存在意義を高めることとだ。
日本の産業基盤は中小企業が支えている。そのなかで会員である