積水化学工業は3月1日、同社の100%子会社である積水マテリアルソリューションズが、「抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー」についての新型コロナウイルスへのウイルス不活化試験を外部研究機関(奈良県立医科大学医学部微生物感染症学講座及びMBTコンソーシアム)にて実施し、効果を確認したと発表した。
同試験により、「一定の条件下で抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレーを新型コロナウイルスに1分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少」「一定の条件下で抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレーを噴霧したフィルムに、噴霧して1ヶ月後に新型コロナウイルスを5分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少」の2つの効果が確認された。
これらの結果により、抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレーおよびその噴霧フィルムは、新型コロナウイルスを短時間で不活化することが判明した。また、1ヶ月静置させた噴霧フィルムで効果があったことから、不活化効果の長期継続が期待できる。
同試験で効果を確認した抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー成分は、抗ウイルス加工剤成分、発酵アルコール、イオン交換水で、試験は2020年9月18日に実施された。
実験では、抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレーを新型コロナウイルスに1分間接触させた結果、1・23×107PFU/mlから2・00×102PFU/ml(減少率99・998%)へと検出限界以下まで感染価が減少した。次に抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー噴霧フィルムに新型コロナウイルスを5分間接触させると、1・45×107PFU/mlから5・25×102PFU/ml(減少率99・994%)まで感染価が減少した。