住友ゴム工業は3月9日、同日から学術・産業分野へ共用が開始されるスーパーコンピュータ「富岳」の令和3年度HPCIシステム利用研究課題募集における「富岳」産業課利用枠に採択されたと発表した。
同社は、2015年に独自のタイヤの新材料開発技術「アドバンスド4Dナノデザイン」を確立し、タイヤの主要性能である低燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性能を向上させるゴム材料の開発を行ってきた。「富岳」を利用することで「アドバンスド4Dナノデザイン」を進化させ、今後進展していくCASE/MaaSといったモビリティ社会にさらに貢献していく。
同社は、技術革新のキーコンセプトである「スマートタイヤコンセプト」において、摩耗や経年による性能低下を抑制し新品時の性能を長く持続させる技術「性能持続技術」の開発を進めている。この技術開発では、タイヤ使用時にゴムの中で起こっている分子レベルの化学変化を正確に理解し制御することが大きな課題となる。同社は、より詳細な分子の構造を考慮した分子運動の表現手法を確立・論文発表した。今後、「富岳」を利用することで、分子運動に加えて化学変化まで表現できるゴム材料のシミュレーションを実現させる予定としている。