住友化学は3月10日、同社と理研鼎業が共創契約を締結したと発表した。
同契約により、同社の2019~2021年度の中期経営計画における重点4分野のうち、特に「ヘルスケア」および「食糧」において、同社の保有する技術と理化学研究所(以下「理研」)の研究成果とを新たな事業の創出につなげ、社会への還元を目指す。
同社は、中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の一つに掲げている。その実現に向けてイノベーション・エコシステムを構築し、これまでに、国内外のスタートアップ企業やアカデミアとの提携や共同研究、出資などを積極的に進めている。
理研鼎業は、理研の全額出資により設立された理研の外部法人で、自然科学の総合研究所である理研の広範な研究分野において、基礎から応用までカバーする多彩な研究者による研究成果等をプラットホームとして活用することにより、企業や社会が抱える課題の解決に向け、さまざまな方策を共に創出することを目指している。
同社と理研鼎業は、今後、理研が保有する主に細胞科学についてのライフサイエンス分野、およびデータサイエンス分野の知見と、同社の持つ核酸医薬や機能性食品、体調可視化など先進医療・予防・診断に関わる技術、ならびにバイオラショナルなど食糧の品質・収量向上に資する技術とを融合させることにより、社会課題を解決する基幹技術の開発を目指していくとしている。