宇部興産は3月12日、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、同社及び、上野トランステックが、日本国内における舶用アンモニア燃料の供給及び供給拠点の整備について共同開発することに合意したと発表した。
脱炭素化の世界的な気運が高まる中、海運では、国際海事機関が2018年に温室効果ガス(GHG)削減戦略を採択し2030年までに2008年比40%効率改善、2050年までに2008年比50%総量削減、更には今世紀中できるだけ早期にGHG排出フェーズアウト(ゼロ・エミッション)を掲げている。これらの目標達成に向け、ゼロ・エミッション船を目指した船舶の早期開発が期待されており、その中でアンモニアは代替燃料の候補として各方面で注目されている。アンモニアを主燃料とする船舶の開発を具体化するには、舶用アンモニア燃料の安定供給及び供給拠点の整備は欠くことが出来ない要素となっている。同共同開発において同社は、国内最大手のアンモニア生産者としての知見を生かし、舶用アンモニア燃料の供給及び供給に必要な陸上設備の検討を担当する。
同社グループは、「UBEグループ環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までにGHG排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げ、さらなるGHG排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいくとしている。