デンカは3月24日、体外診断用医薬品「クイックナビ」シリーズの新製品として、ヘリコバクター・ピロリ抗原迅速診断キット「クイックナビ―H.ピロリ」を4月14日から全国の医療機関向けに発売すると発表した。
ヘリコバクター・ピロリは胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌で、一般に「ピロリ菌」とも呼ばれる。ピロリ菌による胃の粘膜の炎症で、胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍が起きると言われており、さらに喫煙や食生活の乱れ、ストレスなどの外的要因が加わると胃がんの発生リスクが高まるとされている。
「クイックナビ―H.ピロリ」は、糞便中のヘリコバクター・ピロリ抗原の有無をイムノクロマト法により判定する。テストデバイスへ試料滴加後、8分で抗原の有無を迅速に判定することが可能となる。同製品は販売提携先の大塚製薬と同社の2社が販売する。
「クイックナビ」シリーズは、既にインフルエンザウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、A群β溶血性連鎖球菌、マイコプラズマをはじめ、昨年8月には新型コロナウイルス迅速診断キットを販売している。
経営計画「Denka Value-Up」においてヘルスケア事業を重点分野のひとつと位置づける同社は、感染症対策を社会的責務と捉え、各種ウイルス抗原迅速診断キットだけでなくインフルエンザワクチンも製造・販売する国内唯一のメーカーとして、予防と診断の両面から感染拡大防止に取り組んでいる。今後も医療現場のニーズに応えるべく、予防・検査体制の拡充を通じて人々の向上にQOL向上に貢献していくとしている。