BASFは3月25日、カーボン繊維を20、30および40%強化したウルトラミッド・アドバンストを新たに追加し、ポリフタルアミド(PPA)のポートフォリオを拡充すると発表した。
これら新素材により、部品の超軽量化を実現し、また、導電性を備えているため剛性と強度を失うことなく、安全にアルミニウムやマグネシウムとの代替が可能になる。さらに、既存のウルトラミッド・アドバンストN(PA9T)の特長である、低吸水性による寸法安定性や、優れた耐薬品性と耐加水分解性、高強度かつ高弾性も有しており、一般的なカーボン繊維強化PPAの中でもユニークなものとなっている。この新しくカーボン繊維強化されたウルトラミッド・アドバンストは、ボディ、シャーシ、パワートレイン、ポンプ、ファン、ギア、コンプレッサなどの自動車構成部品や、家庭用製品の超軽量部品の製造に使用可能で、同社はこの製品により、50を超えるグレードをもつPPAポートフォリオをさらに拡充する。
カーボン繊維で強化されたウルトラミッド・アドバンストの機械的性能は、カーボン繊維の含有量と添加剤によって調整可能となっている。例えばカーボン繊維含有量40%のウルトラミッド・アドバンストN3HC8は、マグネシウムやアルミニウムよりも80℃(条件付き)において優れた強度と弾性率を示している。
同社のシミュレーションツール「ウルトラシム」を用いることで金型流動解析と成形部品に最適な金型の開発が可能になり、ウルトラミッド・アドバンストCFグレードは、さまざまな産業において機能性の統合と軽量化を実現する。構造部品やパワートレイン部品を軽量化することで、電気自動車や燃料電池車の航続距離を伸ばすことができる。また、高剛性かつ高強度、優れた寸法安定性、超軽量性と加工性などの利点から、家庭用電子機器の軽量で薄型の精密構造に貢献する。さらに、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性にも優れているため、ポンプやコンプレッサのような、重量があり、高負荷で使用期間が長い産業機器の製造を容易にする。