宇部興産は４月１日、同社に入社した新入社員に向けて、泉原雅人社長の祝辞を発表した。
泉原社長は、まず「70名の新入社員を迎えることができ、大変嬉しく思う。貴重な集合研修の場を通じて、新しい仲間との、バーチャルではないリアルな人間関係を深めてほしい」と述べた。続いて、「一人一人がやり甲斐をもって働ける様々な『場』を提供するので、幅広い経験を積み重ねることによってキャリア形成を図ってほしい」「それぞれの場で、常に新たな知識を身につけ、任せられた職務領域については『自分が一番よく知っている』と早く言えるようになるため、プロ意識を持ってしっかり取り組んでほしい」と語った。
また、泉原社長は、同社が「大きな転換点を迎えている」として、「差し迫った大きな変化は、１年後に予定されているセメント関連事業の三菱マテリアルとの完全統合」とした。完全統合により「セメント事業については内需減少やカーボンニュートラルといった課題に対応するとともに、両社の強みを組み合わせることにより、新たな成長の絵が描けるようになる」と語った。
一方で、「宇部興産本体は、機械部門は既に完全別会社化し自律的な成長を図っているので、残った化学部門がいかに成長ドライバーとしてグループ全体を牽引していくかが問われており、事業のスペシャリティ化を今後一層加速させ、地球環境問題やデジタル社会、そして人々の生命と健康に貢献する企業として、事業構造改革を進めていく」とした。
最後に泉原社長は、「当社の歴史はまさに自己変革の歴史。変化に挑戦する風土を今後も大切にしながら、我々の先輩達が過去においてそうしてきたように、常に時代の要請に応じ新たな事業を起こし、ポートフォリオを組み換えていくつもりだ。そのためには、当然のことながら若い力が必要になる。今やろうとしている変化への挑戦は、今後の当社を担う皆さんのためにある。10年後・20年後のさらなる発展のために、皆さんの若いエネルギーも結集し、力強く取り組んでいきたい」と締めくくった。
