クラレは4月1日に入社式を開催し、川原仁社長が新入社員を前に挨拶を行った。これから皆さんが社会人生活を送る上で、仕事に取り組む際の心構えについて3点お話しします。
①分からないことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞く
1つ目は「分からないことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞く」ということです。初めて取り組む仕事に対して最初から分かった振りをせず、恥ずかしがらずに謙虚に教えを請うという姿勢が大切です。私自身の経験からしても、入社して最初は「何を知らないのかさえ、分からない」状態だったと思います。会社の仕組みや仕事の全体像、背景が分からないので、「何と何を知らないのか、さえも分からない」のですから、とにかく分かるまで聞く事です。そして勿論、聞いて教わったことはしっかり覚える努力をしてください。
②与えられた仕事や役割で、ベストを尽くす
2つ目は「与えられた仕事や役割で、ベストを尽くす」ということです。実際に職場に配属されると、それまで想像していた仕事のイメージとは違う事は往々にして有ります。しかしながら、皆さんに与えられる仕事は、それぞれに皆さんの今後のキャリアを見据えて、その時点での習熟度を勘案しながら、上司が良く考えた末に用意されるものです。会社や仕事の全体像が分からない中で、自分の目先に与えられた業務だけで判断して、不満を抱いたり、やる気を無くしたりすることが無いようにして下さい。全ての仕事には必ず意味があります。与えられた仕事や役割に対し、少なくとも1、2年は真摯に取り組んでみることが大切です。小さな一つひとつの積み重ねが、結局は後になって自分の力となっていることが多いのです。
社会人として、クラレパーソンとして成長することを助ける心掛けとして「受け容れる心」を持つことを勧めます。受け容れる、には二つの意味があり、ひとつは、自分に起こる出来事を受け容れること。もうひとつは、今の自分を受け容れることです。受け容れることで、皆さんは徐々に大きな器となっていきます。どんな仕事にも真摯に向き合い、受け容れ、誠実に取り組んで結果を出すことで、周りの人は皆さんへの信頼を高めます。そうすることで、次にはもう少し大きな、重要な仕事を任せてもらえるようになるはずです。
③自己研鑽を続ける
3つ目は「自己研鑽を続ける」ということです。学校を卒業したから勉強は終わりではなく、会社に入り、さあこれからが勉強だと考えて欲しいということです。世の中、世界には我々の知らないことが山ほどあり、毎日新しい事も起こり、変化の連続です。皆さんがどのような職務に就いたとしても、世の中の動きや社会の課題と無縁で居られるということは有りません。社会人としての基本的な教養を身に付けるためにも、色々な本を読んだり、他人の話を良く聞いたり、外部の講習や研修に積極的に参加したりして、見聞を広め、知見を深め、考える力を養ってほしいと思います。中でも、出来るだけ多くの本を読むことは、手軽に続けられることですのでお勧めします。
社会人として自分が将来成長していくためには、向上心を持って地道な努力をすることが欠かせません。自己研鑽への投資は、一番確実にリターンがある投資です。将来、無駄になることは有りませんので、心して自分を高める努力を続けてください。