エボニックは3月25日、サーキュラー・プラスチックに関する活動をグローバルなプログラムにまとめているエボニック インダストリーズが、同プログラムを通じて2030年までに年間3億5000万ユーロ以上の追加売上を目指すと発表した。
同社は、循環型経済への移行の一環として、ポリマーのバリューチェーンのあらゆる段階で顧客にソリューションを提供している。同社の添加剤と技術は、メカニカルリサイクルおよびケミカルリサイクルの効率を高め、循環型プラスチックの入手可能性を向上させる。また同社は、自社の生産工程において、循環型ソースからの持続可能な原材料の使用を増やしている。
メカニカルリサイクルでは、プラスチックを選別、準備、洗浄を行ってから、溶融し粒状にしてリサイクレート(再生処理材料)を作る。この手順は主に熱可塑性プラスチックに用いられ、古タイヤにも同様のプロセスがある。同社の専門家は、リサイクル業者がプロセスの効率と品質を大幅に改善できるよう取り組んでいる。例えば、特別仕様の界面活性剤は、ラベルを素早く残さず剥がすために使用され、消泡剤は洗浄プロセスを簡素化し、脱水剤はその後の乾燥に必要なエネルギーと時間を節約する。また、リサイクレートの臭気を最小限に抑えることも重要となる。同社の特殊添加剤は、高品質で再利用可能なリサイクレートの量を約5%増加させることができる。同社は、2025年までに約40万tのリサイクル可能なプラスチックに対して、このようなソリューションを提供することを目指している。
さらに同社は、機械的にリサイクルができないプラスチック廃棄物を対象に、さまざまなケミカルリサイクル技術の開発にも取り組んでいる。ケミカルリサイクルでは、ポリマー鎖を分割し、新しいプラスチックを製造するための構成要素を得ることができる。同社は現在、非常に汚れたポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物のリサイクルを促進するプロセスを開発しており、メタノリシス反応によって、ハイエンド製品向けの新しいモノマーを得ることができるとしている。