炭素繊維関連設備投資を決定 三菱ケミカル、伊CPC社で

2021年04月08日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは4月6日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)自動車部品製造販売会社である関係会社のC.P.C.SRL(イタリア、以下「CPC社」)において、世界最大級となる5000t容量大型プレス成形機の増設を含む設備投資を決定したと発表した。同社のグループ会社であるMitsubishi Chemical Advanced Materials AGがCPC社に投資を行い、2023年中の設備稼働を目指している。

 航空機や自動車などのモビリティ用途では、CASE対応・環境規制等を背景に従来にも増して機体車体の軽量化への要求が高まっており、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が加速すると見込まれている。また、自動運転車や空飛ぶ車などの次世代モビリティの分野では、従来の思想にとらわれない新しいコンセプトによる車体設計が進められており、軽量かつ成形性に優れたCFRPへの注目がますます高まる傾向にある。

 CFRPの成形・加工・塗装・組立てにわたる一貫生産能力を有するCPC社は、設計・シミュレーション技術を活用した部品・車両の軽量化ノウハウを合わせ持ち、主に高級自動車向けのCFRP成型品メーカーとして事業を拡大してきた。

 同社グループは、ドイツのプリプレグメーカーc―m―p社や炭素繊維リサイクル企業CarboNXT社の買収、CPC社隣接地へのCF―SMC製造設備の建設など、自動車技術で最先端を行く欧州において、サステイナビリティにも配慮した材料のサプライチェーン確立を進めている。

 今回の投資では、大型プレス成型機を増強し、複雑形状のシャーシーなど成形の難しい大型構造体の成形能力を約3倍に引き上げるほか、最新鋭のCFRP加工機、自動塗装ラインを有する塗装工場や組立てラインの増強を行う。これにより同社は、欧州におけるサプライチェーンを強化し、電気自動車や次世代モビリティ用途でさらに高まるCFRP製品に対する需要に対応していくとしている。

CFRP 成形用プレス機

CFRP 成形用プレス機

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