コベストロは4月8日、オランダのロイヤルDSM社(以下、DSM社)からのレジンズ&ファンクショナルマテリアルズ事業(RFM)買収を、1日に予定通り完了したと発表した。同社とDSM社は2020年9月末に買収契約を締結していたが、今回、規制当局より取引の承認が得られ、事業買収が完了した。
この取引により、同社のサステナブルなコーティング樹脂のポートフォリオが大幅に拡大し、同社グループはこの成長市場における世界最大手となる。RFM統合の結果として、グループの売上が約10億ユーロ増加するとともに、20拠点以上が加わることによりグローバルな生産ネットワークがさらに充実する。
マーカス・スタイレマン同社CEOは、「RFMの買収は、当社の新たなグループ戦略の実行に大きく貢献する。今回の取引により、サステナビリティの強化に向けて重要な一歩を踏み出したと同時に、持続可能な成長が可能となった。新しい社員の皆さんと会えることを心より楽しみにしており、コベストロに温かく迎えたいと思う」と述べている。
同取引によって、様々な分野で同社の事業が拡大する。同社グループは、現在でも水系ポリウレタンディスパーション分野における大手だが、RFMの買収により、水系ポリアクリル樹脂全般をはじめ、サステナビリティの観点から強力なブランド力を持つNiagaや、アディティブマニュファクチュアリング(積層造形、3Dプリンティング)に加え、先進的な太陽光発電向けコーティング事業も傘下に収める。さらに、水系ハイブリッド技術、パウダーコーティング樹脂、紫外線硬化樹脂などの追加によって、同社の技術ポートフォリオが充実する。
同社は、総合的な分析に基づき、完全統合による永続的なシナジーとして、2025年までに年間約1億2000万ユーロを積み上げることを見込んでいる。このうち約3分の2がコスト面、約3分の1が収益面のシナジーとなる。