ブリヂストンは4月13日、中期事業計画を支える同社流のDXの一環として、航空機用タイヤと建設・鉱山車両用タイヤの「モノづくり領域」において、匠の技を伝えるシステムをノビテックと共同で開発したと発表した。
同システムは、デジタルを活用して工場における航空機用タイヤや建設・鉱山車両用タイヤの成型作業に必要な暗黙知を形式知化・定量化し、熟練技能員の匠の技を確実かつ効率的に伝承することを可能にする。既に航空機用タイヤを生産する久留米工場、建設・鉱山車両用タイヤを生産する北九州工場に本格導入され、同社のソリューション事業を支える「断トツ商品」の安定供給に貢献している。2021年上期中には、航空機用タイヤを生産する海外工場(タイ)にも展開予定となっている。
市場・顧客情報を素早くエンジニアリングチェーンに繋ぐ市場・顧客接点のDXと共に、同社は技術イノベーションを推進すべく素材開発~製品開発~モノづくりというエンジニアリングチェーン全体でのDXに取り組んでいる。これは、現場の匠達によって長年培われてきた膨大なデータや経験が支える「ゴムを極める(ゴムを見る・解く・操る)」技術などの「強いリアル」に、デジタルを融合する事で、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」、「断トツ商品」開発、「断トツソリューション」に繋げる同社独自の取り組みとなっている。
同社は、ノビテックの協力を得てデジタルを活用した技能伝承システムを開発、新人技能員などの技能訓練に活用し、確実かつ効率的に熟練技能員の匠の技を伝承する仕組みを構築した。成型作業の動きをモーションカメラや慣性・圧力センサーで計測し、新人と熟練技能員の差を作業ステップ毎に可視化し評価、低評価のステップについて繰り返し訓練することで、効率的に技能を習得することができるようになった。高度な熟練のスキルがDXにより標準化されることで、高品質な「断トツ商品」を安定的に供給することが可能となる。