錦湖三井化学で生産設備増強 MDI事業の拡大図る

2021年04月23日

ゴムタイムス社

 三井化学は4月21日、関係会社である錦湖三井化学のMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)生産設備を増強すると発表した。2021年4月着工、2023年9月完工、2024年1月営業運転開始予定。

 MDIは、自動車部品、自動車及び家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料で、MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%で増加していくと見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革等に使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材等に使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産、販売している。今回の増強は、断熱材等の需要伸長はもとより、EV自動車を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要の更なる拡大にも対応する。

 同社では、生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備を導入する。これは、原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を企図したものとなる。

 錦湖三井化学は今後、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。同社は、今後も成長が見込めるMDI事業の拡大と、更なる高機能化を進めていくとしている。

 

錦湖三井化学麗水工場

錦湖三井化学麗水工場

 

 

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