日本触媒は４月23日、化粧品素材として開発した機能性ポリマーに新型コロナウイルスの不活化効果があることを確認したと発表した。同機能性ポリマーは、肌や毛髪を潤すととともに、菌やウイルスから守ることを目的とした商品への応用が期待できる。
同社が開発した機能性ポリマーは親水性モノマーと疎水性モノマーで構成され、水分保持機能と被膜形成能を両立した新しいポリマーとなっている。これまでに細菌への抗菌作用やエンベロープウイルス類であるインフルエンザウイルスに対する不活化効果を有することを確認している。
同社では、抗菌・抗ウイルス機能をさらに検証するため、新型コロナウイルス感染症を引き起こすＳＡＲＳコロナウイルス２に対する効能評価を行った。今回の評価では、ポリマー濃度０・１％の試験条件において、ウイルスの不活化効果は処理時間60分で約99％、１２０分で約99・９％であることが分かった。これによりポリマー濃度０・１％において、60分以上の接触により十分な効果を発揮できることが分かった。今後も詳細データの取得を行い、ＳＡＲＳコロナウイルス２に対するポリマー濃度の影響なども明らかしていく。
同ポリマーを配合した化粧品は、肌や毛髪を菌やウイルスによるダメージから守ることが期待されている。
なお、同成果の一部は、ＣＩＴＥ ＪＡＰＡＮ ２０２１（第10回化粧品産業技術展）において発表する予定となっている。
不活化効果を確認
