減収企業は4社 プラ機械6社の21年3月期 

2021年06月02日

ゴムタイムス社

 プラスチック機械大手6社の21年3月期連結決算が出そろった。(日精エー・エス・ビー機械は21年9月期決算)。新型コロナの影響による業績の落ち込みは完全回復には至らず、4社で減収となったほか、利益面では3社で減益となっている。

 ◆日精樹脂工業
 売上高は416億400万円で前期比7・2%増、営業利益は11億4500万円で同4・1%増となった。
 期中前半は新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が鈍化したが、期中後半に経済活動の再開と、景気が緩やかに回復したことおよびネグリ・ボッシグループを連結子会社化したこと等から増収となった。日本は自動車関連の需要が鈍化したこと等から減収減益。欧米はネグリ・ボッシグループを子会社化したことおよび医療関係を中心に需要が堅調に推移したこと等から増収増益。ただ、新型コロナ拡大により営業活動が停滞したことで利益は減少した。アジアは、IT関連を中心に需要が堅調に推移したこと等から増収増益となった。

 ◆日精エー・エス・ビー機械
 売上高は178億7500万円で前年同期比46・3%増、営業利益は48億4000万円で同156・5%増となった。
 米州は、消毒液や生活必需品等の容器需要の高まりを受け、北米を中心に好調な引き合いが続いたことにより、増収増益だった。欧州は、各国でコロナ禍への対応が異なり、地域による濃淡の差はあるものの、中小型機を中心に引き合いが好調に推移した結果、増収。また、増収効果に加えて展示会費用の減少等で増益となった。南・西アジアは、コロナ禍による影響は域内の新興国に色濃く残るものの、インドを中心に中小型機の引き合いが復調した結果、増収増益となった。東アジアは、各国市場の引き合いは底堅く推移しており、利益面でも増収の効果および展示会費用の減少等により増益だった。

 ◆カワタ
 売上高は167億8700万円で前期比20・8%減、営業利益が5億600万円で同68・2%減となった。
 地域別では、日本は、日用雑貨や容器・物流関連は比較的堅調に推移したものの、自動車関連については引き続き低調で減収。東アジアは、米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の収束に伴い中国国内では経済活動は回復傾向にあるものの、民間設備投資は回復するまでには至らず減収。東南アジアは、前年度後半から続くタイ、インドネシアの自動車関連を中心とした設備投資意欲の減退に加え、新型コロナウイルスの感染拡大が続いている地域が多いことが影響し減収。北中米は、米中貿易摩擦の長期化及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の制限が続いていること等により、引き続き低調に推移し減収となった。

 ◆ユーシン精機
 売上高は184億7300万円で前期比7・7%減、営業利益は25億2200万円で同9・2%増となった。北米で医療関係を中心に堅調に推移したことに加えて、中国や韓国でも医療関係を中心として販売が前年同期比で増加した一方で、設備投資意欲の減退により日本での取出ロボットの販売が前年同期比で減少した。また欧州での特注機は大口の案件が少なかったこともあり、一定の売上があったものの前年同期比では減少した。利益面については、営業利益は売上高の減少はあったものの、売上総利益率の改善に加えて、経費削減に努めたこともあり増益となった。

 ◆住友重機械工業
  プラスチック加工機械事業が含まれる精密機械部門の売上高は1769億円で同4・0%減、営業利益は171億円で同15・0%増となった。プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要の回復や欧米での需要の増加により受注は増加したが、受注から売上までリードタイムがあることから売上は減少した。一方、 機種構成等が変化したことから営業利益は増加した。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が調整局面で受注は減少したものの、受注残があったことから売上は前年並みとなり営業利益は増加した。

 ◆日本製鋼所
 樹脂製造・加工機及び成形機が含まれる産業機械事業は、売上高は1563億9200万円で同8・8%減、営業利益は139億5800万円で同27・6%減となった。樹脂製造・加工機械及び成形機が共に減少したことから、売上高が減少し、営業利益も売上高の減少や棚卸資産評価損の計上などにより減少した。

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