ウイルス除去効果が大幅改善 三井化学らインナーマスク開発

2021年04月28日

ゴムタイムス社

 三井化学は4月26日、名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授と名古屋大学発ベンチャーのフレンドマイクローブ(以下「フレンド社」)の3者で新規インナーマスク「タートル」を開発し、フレンド社が生産・販売を開始したと発表した。フレンド社の販売サイトおよびアマゾン、ヤマダモールにて販売する。価格は、タートル本体に30日分の交換フィルター用不織布がセットで税込2750円。

 また、既に東海地区に多数の店舗を展開する美容室グループの旗艦店において美容師、スタッフへの着用も決定している。

 3者は、2020年7月にタートルの前身である新規3Dマスク「シータ」を同じく共同開発し、フレンド社が現在も継続し生産・販売している。タートルは、普段使いの布製やウレタン製のマスクの中に使う新規インナーマスクで、シータを薄型にした進化版となっている。タートルも、シータと同様に再使用可能な「マスク本体」と使い捨ての「フィルター」からなり、同社は、フィルター用の交換用不織布を提供する。

 現在、国内のマスク需給バランスは改善し、世間ではマスクの二重使いやインナーマスクの装着も見られる。しかし、布マスクやウレタンマスクの単体でのウイルス除去率は一般的には低いとされており、ウイルス感染の予防の観点では疑問が残る。今回、名古屋大学堀教授の独自評価により、ウレタンマスクの内側にタートルを装着することで、ウイルス除去効果が大幅に改善されることを確認した。

 また、昨今、使い捨てマスクのごみ問題が顕在化しているが、タートルは、本体が生分解性樹脂(PLA)で出来ており再使用が可能なうえ、使い捨てになる不織布の使用量も従来の使い捨て不織布のマスクの10分の1で済むなど、環境にも配慮している。

 3者は、これからもタートルの普及を通じ、ウイルス感染のリスクを下げ、安全・健康に貢献していくとしている。

 

「タートル」本体

「タートル」本体

「タートル」装着イメージ

「タートル」装着イメージ

再使用可能でごみも少ない

再使用可能でごみも少ない

 

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