減収減益もエスレンシート好調 積水化成品の21年3月期

2021年04月30日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業の21年3月期連結決算は、売上高が1188億5100万円で前年同期比12・7%減、営業利益は20億9100万円で同43・9%減、経常利益は19億5600万円で同42・3%減、当期純利益は11億2600万円で同51・5%減となった。

 セグメント別では、生活分野は、売上高が534億7000万円で同8・0%減、セグメント利益は37億5400万円で同14・4%増となった。食品容器関連では内中食関連向け需要の好調が継続した。水産関連では漁獲高減少や観光・飲食店向けの需要減少から低調となった。土木関連では「アクアロード」部材で物件獲得が進んだ。
 主力製品「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、巣ごもり需要が好調を維持したことから全体として前期比伸長した。「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)の売上数量は、主要用途である水産分野を中心に前期比で減少するなど総じて低調に推移した。利益面では、「エスレンシート」の販売が好調であったことに加え、原価低減や固定費の削減などの徹底したコストダウンに取り組み増益となった。

 工業分野は、売上高が653億8100万円で同16・2%減、セグメント損失は9億5700万円(前期はセグメント利益11億8600万円)となった。
 自動車関連では、自動車部材、部品梱包材用途の「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売が減少したが、自動車メーカーの生産再開に伴い、後半は回復傾向に転じた。プロシートグループについては、同感染症拡大により業績が大幅に悪化した。
 家電・IT関連では、「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)の売上が堅調に推移した。医療・健康関連では、シューズ需要が回復し「エラスティル」(熱可塑性エラストマー発泡体)が通期で大きく伸長した。「テクノゲル(ST-gel)」(機能性高分子ゲル)は低調な推移となった。
 利益面では販売低迷による限界利益の減少を補えず損失となった。なお、Brexitの影響や主要顧客の英国撤退などを受け、プロシートグループ英国拠点の撤退を想定した特別損失を計上している。

 2022年3月期の連結業績見通しについては、売上高が1180億円、営業利益は36億円、経常利益は32億円、当期純利益は18億円を見込んでいる。

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