廃プラのケミカルリサイクル BASFら3社が協働

2021年04月30日

ゴムタイムス社

 BASFは4月28日、同社、ノルウェーのクアンタフューエル社、およびドイツのレモンディス社が、プラスチック廃棄物の熱分解プラントへの共同投資を含む、ケミカルリサイクル事業における協働を評価するため、覚書(MoU)に署名したと発表した。

 世界有数の廃棄物・水管理会社であるレモンディス社が適したプラスチック廃棄物をプラントへ供給し、そこで生まれた熱分解油を同社がChemCyclingプロジェクトの一環として生産フェアブント(統合生産拠点)で原料として使用し、クアンタフューエル社は技術の提供とプラントの運営を目指す。クアンタフューエル社は、混合プラスチック廃棄物の熱分解および熱分解油の精製を専門としており、その技術は同社と共同で開発・保有されている。プラスチックのサーキュラー・エコノミー(循環型経済)を最大化するために、3社は、レモンディス社によって提供されるプラスチック廃棄物のうち、将来ケミカルリサイクル向けに使用可能なものを特定していく。 

 欧州では毎年、約2000万tのプラスチック廃棄物がリサイクルされないままになっている。ケミカルリサイクルをマテリアルリサイクルの補完的なソリューションとして確立することで、焼却されるプラスチック廃棄物を資源循環に戻すことが可能になる。熱分解技術は、技術的または経済的な理由などによりマテリアルリサイクルされていないプラスチック廃棄物を、再資源化することができる。

 同社石油化学事業本部グローバル戦略事業開発担当シニアバイスプレジデントのDr.ラルス・キサウは、「BASFは、2025年から、年間25万tのリサイクル原材料を使用するという目標を掲げている。このためには、これまでリサイクルされてこなかったプラスチック廃棄物由来の原料を使用することが重要」「廃棄物管理・リサイクル分野の企業や革新的な技術提供者との協業は、持続可能なサーキュラー・エコノミー・モデルを構築していく上で理想的。しかし、プラスチック廃棄物問題を解決するためには、良好な規制環境が必要になる」とコメントしている。

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