信越化学工業の2021年3月期連結決算は、売上高が1兆4969億600万円で前年同期比3・0%減、営業利益が3922億1300万円で同3・4%減、経常利益が4051億100万円で同3・1%減、純利益が2937億3200万円で同6・5%減となった。
塩ビ・化成品事業の売上高は4697億円で同3・0%減、営業利益は970億円で同5・3%増となった。米国のシンテック社でフル操業を継続し、塩化ビニル、か性ソーダともに高水準の出荷を継続した。一時経済活動制限による市況下落の影響を受けたが、その後世界的に需給が引き締まり値上げを実施した。また、欧州拠点及び国内拠点も販売数量の維持に努めた結果、増益となった。
シリコーン事業の売上高は2083億円で同8・2%減、営業利益は451億円で同26・6%減となった。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化の影響を受け、減益となった。ただし秋口からほぼ全分野で顧客需要は回復してきている。
機能性化学品事業の売上高は1126億円で同1・9%減、営業利益は218億円で同21・3%減となった。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品も出荷が低調だった。
半導体シリコン事業の売上高は3740億円で同3・5%減、営業利益は1441億円で同0・6%増となった。半導体デバイスは、物不足が生ずるほど全方位で需要が堅調だった。
電子・機能材料事業の売上高は2348億円で同4・3%増、営業利益は702億円で同2・6%増。希土類磁石は、一時海外工場の稼働制限の影響を受けたが、自動車、ファクトリオートメーション、データセンター、風力発電向け用途が大きく伸長し、ハードディスクドライブ向けも好調に推移した。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に好調を持続した。
なお、22年3月期連結業績予想については、開示が可能となった時点で速やかに開示するとしている。