カネカは4月30日、ベルギー国王のフィリップ陛下が、同国ワロン地域政府エリオ・ディルポ首相と共に、同社のグループ会社のカネカユーロジェンテック社を4月28日に訪問したと発表した。
フィリップ陛下は、カネカユーロジェンテック社が取り組む新型コロナウイルス検査用PCR試薬や、ワクチン・治療薬開発の説明に熱心に耳を傾け、ベルギーにおけるカネカユーロジェンテック社の重要な役割に敬意を示した。また、ベルギーのバイオテクノロジー産業の展望や人材採用、教育研修、先進技術開発等の課題について、カネカユーロジェンテック社の経営陣と意見交換を行った後、実験室や製造施設を興味深く見学した。
カネカユーロジェンテック社は、1985年に設立され、高品質のmRNAやプラスミドDNAの世界トップクラスの技術を保有している。昨年春からベルギー政府の要請により新型コロナウイルス検査用PCR試薬をベルギー国内および近隣国の病院などに供給している。また、世界の製薬企業やバイオベンチャーが開発を加速しているmRNAやプラスミドDNAなどを活用したワクチンの受託製造にも取り組んでいる。昨年10月にはバイオ医薬品CDMOを強化するため設備の能力増強を行った。また、ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究機関de Duve Instituteと、革新的な生産技術開発に関する共同研究を推進している。
同社は「カネカは世界を健康にする。」という考えのもと、新型コロナウイルスを始めとする感染症対策の研究開発を進める「インフェクション研究チーム」を立ち上げている。今後も同社の持つさまざまな技術を結集し、健康問題の解決に向けたソリューションを提供していくとしている。