雪ヶ谷化学工業は5月10日、客観的な事実からフェアトレードの天然ゴムを使用したことを証明できる製品であれば、企業や製品を問わずに無料で使用できる「フェアトレード天然ゴムマーク」を作成し、公開したと発表した。
天然ゴムについては、2018年に天然ゴムの全生産量の70%以上を使用する世界のタイヤメーカーが主導し、持続可能な天然ゴムを推進するための新たなプラットフォーム(GPSNR)が設立され、様々な取り組みが始まっている。しかし、天然ゴム生産の85%は600万にも及ぶ小規模農家に支えられているため、トレーサビリティの確保が未だに困難な状況が続き、不当な取引や強制労働、児童労働の懸念が払拭しきれていない。
その中で、同社は日本の企業、消費者に対し天然ゴムの取引にもフェアトレードが必要であることを知ってもらい、小さなところからフェアトレードの天然ゴムを使った製品を増やすことが必要だと考え、近い将来日本で使われる天然ゴムをすべてフェアトレードにするための一助となれるよう、このほど広く使えるマークを作成した。
同社はSDGsアクションの一環として、自社で調達する天然ゴムがすべてフェアトレードによるものであることを表明している。なお、このマーク使用に際し、表明するフェアトレード天然ゴムの要件は、①強制労働が行われていないこと。②児童労働が行われていないこと。③直接、間接を問わず、すべての生産者に公正な対価が支払われていること。④生産者・労働者の安全で健康的な労働条件が守られていること。同社はこれら要件について書面で確認するとともに現地農家の実地調査を行う。なお、同社が使用している天然ゴムはISO9001を取得するタイのNatural Art & Technology 社。
フェアトレード天然ゴムマークの使用を決定している企業は㈱シャロン、㈱木村他、同社材料取扱化粧スポンジ提供会社、三好化成㈱。また、同社の趣旨に賛同し、マークの使用を予定、活動協力している企業は㈱江北ゴム製作所、錦城護謨㈱、茂ゴム㈱、㈱越智製作所、㈱ブロス。
同社では5月19日~21日パシフィコ横浜で開催される「CITE JAPAN展示会」に「フェアトレードの天然ゴム」関連の出展を予定している。