住友理工の21年3月期連結決算は、売上高が3979億4000万円で前期比10・6%減、事業利益は78億6200万円で同30・6%減、営業利益は2億2700万円で同97・5%減、親会社の所有者に帰属する当期損失は49億5700万円(前年同期は8億8100万円の利益)となった。フランス子会社株式譲渡に伴う費用をはじめとした構造改革関連の費用のほか、事業環境変化に伴う収益性の低下により、国内子会社の固定資産の減損損失などを計上したため営業利益は大幅に減少した。
主要取引先の自動車業界においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、上半期の生産台数は前期と比較し減少した。下半期は経済活動の再開や各国の景気刺激策などに伴い、生産台数に回復が見られたものの、通期では厳しい結果となった。一方、中国では早期に流行が収束し、景気刺激策が奏功したことから、前期に比べて生産台数が増加した。
セグメント別では、自動車用品は売上高が3442億400万円で同11・4%減、事業利益は49億7700万円で同47・4%減。地域別では、日本、米州、欧州は下半期の自動車生産台数は回復したが、上半期の生産台数減少が響き、通期では減収となった。一方で、欧州の自動車用ホース拠点においては、欧州メーカーへの拡販による売上増加があった。アジアは、中国での自動車購買支援等を背景とした、日系メーカーの生産台数増加により、アジア全体でも増収となった。事業利益は、主に中国での売上増加による増益はあったものの、ほかの地域での売上減少により減益となった。
一般産業用品は売上高が537億3600万円で同5・4%減、事業利益は28億8500万円で同54・9%増。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オフィス向けのプリンター及び複写機向け機能部品の売上減少により、減収となった。地域別では、日本は、下半期における企業活動の再開が後押しし、上半期と比較してオフィス向けのプリンター及び複写機の需要に持ち直しの兆しが見られたものの、コロナの影響が大きく通期では減収となった。アジアは、中国におけるインフラ投資が旺盛で建機の生産台数が増加し、高圧ホースが増収となった。
22年3月期の連結業績予想は、売上高が4450億円で前期比11・8%増、事業利益は135億円で同71・7%増、営業利益は110億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は35億円を見込んでいる。