ダイキン工業の2021年3月期連結決算は、売上高が2兆4933億8600万円で前期比2・2%減、営業利益が2386億2300万円で同10・1%減、経常利益が2402億4800万円で同10・7%減、当期純利益が1562億4900万円で同8・5%減となった。
化学事業の売上高は同8・7%減の1641億6500万円、営業利益が113億7100万円で同52・2%減となった。
フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を含め広範囲での新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要減少や、欧州ガス市場の需要の落ち込みなどにより、全般的に厳しい状況となった。
フッ素樹脂は、世界的な半導体及び自動車関連の需要が中国市場を中心に回復基調にあるものの、上期での落ち込みの影響が大きかったことに加え、米国での建築・航空機需要の落ち込みもあり、売上高は前期を下回った。フッ素ゴムについても、自動車関連分野の需要は中国市場を中心に回復してきているものの、売上高は前期を下回った。
化成品のうち、表面防汚コーティング剤は、中国での販売が順調に推移し、売上高は前期を上回った。また、半導体向けのエッチング剤も需要回復を捉えた拡販により、売上高は前期を上回りった。しかし、全般的に新型コロナウイルスの影響により需要が減少したこともあり、化成品全体の売上高は前期並みとなった。
フルオロカーボンガスについては、グローバルでの販売の落ち込みの影響が大きく、ガス全体の売上高は前期を大きく下回った。
2022年3月期の通期予想は、売上高は2兆7500億円で前期比10・3%増、営業利益は2700億円で同13・1%増、経常利益は2700億円で同12・4%増、当期純利益は1770億円で同13・3%増を見込んでいる。