化学事業は減収減益 宇部興産の21年3月期

2021年05月13日

ゴムタイムス社

 宇部興産の21年3月期連結決算は、売上高が6138億8900万円で前期比8・1%減、営業利益が259億200万円で同23・9%減、経常利益が232億9300万円で同34・8%減、当期純利益が229億3600万円で同0・2%減となった。
 コロナ感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響を受け、化学や機械は上期に需要が大きく減退。また、化学品市況も悪化し、売上高は前期を下回った。営業利益と経常利益も化学品の市況悪化に加え、アンモニア工場で定期修理を実施したこともあり、石炭など熱エネルギー価格の下落や諸経費抑制によるコスト削減効果があったが、前期を下回った。当期純利益は繰延税金負債の取崩しに伴う税金費用の減少などで前期並み。
 化学の売上高が2593億円で同9・3%減、営業利益は81億円で同43・7%減。ポリイミド事業が増収となったが、合成ゴム事業、ナイロン・ファイン事業などほとんどの事業が減収となった。
 合成ゴム事業は、新型コロナウイルスの影響により上期に大きく減少したタイヤ向けの出荷が下期には回復したが、製品市況が下落したことから、減収減益となった。
 22年3月期通期業績見通しについては、売上高は5700億円で前期比4億3800万円の減少、営業利益は370億円で同42・8%増、経常利益は345億円で同48・1%減、当期純利益は210億円で同8・4%減を見込む。売上高は化学・機械がコロナ影響から需要が回復を見込んでいるが、「収益認識に関する会計基準」等の適用により減収となる見込み。営業利益・経常利益は、建設資材セグメントが石炭価格上昇の影響を受けるものの、化学・機械両セグメントが堅調であることから増益となる見込み。当期純利益は、当期にあった繰延税金負債の取崩しに伴う税金費用の減少がなくなることで、減益を見込んでいる。

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