減収減益も下期回復基調 三菱ケミカルHD決算

2021年05月14日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルホールディングスの21年3月期連結決算は、売上収益が3兆2575億3500万円で前期比9・0%減、コア営業利益は1747億1000万円で同10・3%減、営業利益は475億1800万円で同67・1%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は75億5700万円の損失(前期は540億7700万円の利益)となった。営業利益は非経常項目においてヘルスケア分野に関連する減損損失等を計上した影響を受けた。
 機能商品セグメントは、売上収益が1兆339億円で同842億円減、コア営業利益は613億円。コア営業利益は、高機能成形材料等の自動車向けの販売数量が減少したことや高機能ポリマーにおける定期修理の影響があったものの、下期以降の需要回復に加え、フェノール・ポリカーボネートチェーンの市況が上昇したこと等により、前期並みとなった。同セグメントのうち、機能部材は、下期以降、需要は回復しつつあるものの、前期比では高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチック等の自動車向けの販売数量が減少したことにより、売上収益は減少した。機能化学は、高機能ポリマーの機能性樹脂等の自動車向けの販売数量が減少したことに加え、フェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて定期修理等の影響により販売数量が減少したことにより、売上収益は減少した。
 ケミカルズセグメントは、売上収益が8582億円で同1853億円減、コア営業利益は142億円で同156億円減。コア営業利益は、MMAモノマー等の市況が下落したことに加え、炭素製品において販売数量が減少したこと等により減少した。同セグメントのうちMMAは、下期以降、MMAモノマー等の市況が上昇しているものの、前期比では低水準で推移したことにより、売上収益は減少した。石化は、エチレンセンターの定期修理の影響が拡大したことにより販売数量が減少したことに加え、原料価格の下落等に伴い販売価格が低下したことにより、売上収益は減少した。炭素は、原料価格の下落等に伴う販売価格の低下及びコークス等の需要減退に伴う販売数量の減少により、売上収益は減少した。
 22年3月期の業績予想は、売上収益が3兆6600億円で前期比12・4%増、コア営業利益が2300億円で同31・6%増、営業利益が2160億円で同354・6%増、親会社の所有者に帰属する当期利益が970億円を見込んでいる。

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