クレハの21年3月期連結決算は、売上収益が1445億7500万円で前期比1・5%増、営業利益は172億6300万円で同4・3%減、税引前利益は177億4800万円で同1・1%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は134億9300万円で同1・6%減。売上げの増収幅は僅かに留まったが、セグメント営業利益合計は増益となった。営業利益では、その他の収益で前期に本社別館の土地売却益などの計上があったことにより前期比で減益となった。
セグメントのうち、機能製品事業は、売上収益が444億6500万円で同6・3%増、営業利益は34億7300万円で同6・4%減。機能樹脂分野では、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は売上げが減少したが、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは増加したことから、売上げは増加した。営業利益はPGA事業の損失増加および、持分法を適用している米国合弁事業の利益の減少などにより前期並みとなった。炭素製品分野では、自動車部品用摺動材および高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが減少し、売上げ、営業利益はともに減少した。
樹脂製品事業は、売上収益が423億5200万円で同2・6%減、営業利益は77億800万円で同22・2%増。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、売上げ、営業利益はともに増加した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが減少し、前期にブローボトル事業の譲渡を行ったこともあり、売上げ、営業利益はともに減少した。
22年3月期の連結業績予想は、売上収益が1500億円で前期比3・8%増、営業利益が150億円で同13・1%減、税引前利益は150億円で同15・5%減、親会社の所有者に帰属する当期利益が107億円で同20・7%減を見込んでいる。
2021年05月14日