デンカの2021年3月期連結決算は、売上高が3543億9100万円で前期比6・9%減、営業利益は347億2900万円で同9・9%増、経常利益は321億4300万円で同7・0%増、当期純利益は227億8500万円で同0・4%増となった。
売上高は、電子・先端プロダクツ製品の伸長やヘルスケア分野での新製品の寄与があったが、世界的な景気後退による需要減などから、全体的には販売数量が減少した。利益面では、成長分野向けの高付加価値製品の伸長や固定費の削減などにより、過去最高を更新した。
セグメントのうち、エラストマー・機能樹脂部門は、売上高が1243億100万円と同16・8%減となった。クロロプレンゴムの販売は、足もとでは回復傾向に転じてきたが、感染症拡大などによる世界経済低迷の影響を大きく受け、全般的に生産活動が停滞したことから前年を下回った。また、スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂およびMS樹脂の販売は堅調に推移したが、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことにより減収となった。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、売上高が505億4700万円と同7・8%減となった。農業・土木用途向けのコルゲート管の販売は堅調に推移したが、セメントや特殊混和材、肥料、耐火物・鉄鋼用材料の販売は、感染症に加え天候不順の影響も受けたことなどから前年を下回った。
2022年3月期の連結業績予想は、売上高が3650億円で前期比3・0%増、営業利益が420億円で同20・9%増、経常利益が390億円で同21・3%増、当期純利益が290億円で同27・3%増を見込んでいる。
2021年05月13日