住友ゴム工業は5月14日、スポーツ用人工芝からのマイクロプラスチック流出を抑制するため、施設を所有・管理する兵庫県西宮市と協力し、公表例としては国内初めての取り組みとなる実証実験を、「西宮浜多目的人工芝グラウンド」で開始したと発表した。
スポーツ専用ロングパイル人工芝は、経年使用により破断した人工芝や充填したゴムチップが場外に流出することがあり、これらが河川や港湾に流出されてマイクロプラスチックとなっている可能性が指摘されている。今後同社は、経年変化などを定期的に観察し、各対策の効果、バリア資材の適性や耐久性、メンテナンスの必要性などの検証を進めていく。
実証実験内容としては、① 人工芝レイアウト(バリア・メンテゾーン設置)による流出防止、② 防球フェンスへのバリア(メッシュネット・不織布)設置による流出防止、③ 排水溝内へのバリア(専用金物・フィルター)設置による流出防止、④ 高比重充填物採用による場外飛散の防止、の4点を行う予定となっている。
同社は、ピリカの調査報告を契機に、スポーツ用人工芝由来のマイクロプラスチック問題に関する調査と対策検討を進めてきた。今回、環境省がマイクロプラスチックの発生および流出抑制、回収に資する企業などの取り組みや技術を取りまとめた「マイクロプラスチック削減に向けたグッド・プラクティス集」に、同社の取り組みが紹介された。この取り組みは、環境省が展開する「プラスチック・スマート」にも登録されている。