熱ストレス軽減効果を確認 東レの使い切り防護服リブモア

2021年06月01日

ゴムタイムス社

 東レは5月31日、安全性と快適性の両立を追求する使い切り防護服「リブモア」高通気タイプにおいて、信州大学繊維学部(長野県上田市)佐古井智紀准教授監修の下、生地の蒸発熱抵抗試験を実施し、熱中症対策における指標として用いられる暑さ指数(WGBT)が一般の衣服と同等の補正値=0℃に相当し、さらに、汎用的な防護服と比較し作業時に熱ストレスを軽減する効果を持つことを確認したと発表した。

 防護服は周囲環境と身体を遮断するために用いられるため、着用することで身体が作った熱を周囲環境に逃がしにくく、熱ストレスが高まる。また、熱中症リスクが高い高温環境下では、周囲環境との温度差により身体からの放熱がしづらいため、汗の蒸発が主な身体からの放熱手段となる。

 そこで同社は、今回、生地の蒸発熱抵抗(汗の蒸発のしやすさ、熱ストレスに及ぼす影響)試験を行った結果、「リブモア」高通気タイプのWGBT補正値が0℃に相当することを確認した。これは、作業服など一般の衣服と比較し、防護服着用によって熱ストレスに差が生じないことを示すもので、同社は、熱中症対策の上で労働環境改善に貢献できるとしている。

 さらに同社は、衣服内に気流が生じる状態(作業で動いているなど、静止していない状態)では、同等の粉塵防護性を有する商品と比較して通気性が高い「リブモア」高通気タイプが、熱ストレスを軽減する効果も高いことを確認した。

 同社は、中期経営課題「プロジェクトAP―G2022」における基本戦略の一つとして「成長分野でのグローバルな拡大」を掲げ、健康長寿、人の安全に貢献する「ライフイノベーション事業拡大プロジェクト」を推進している。今回の試験結果を踏まえ、同社は、夏場の暑熱対策が特に必要とされる製造業、建設業等へ、「リブモア」高通気タイプを暑熱対策防護服として提案することで、より安全で快適な労働環境改善の実現に貢献していくとしている。

 

「リブモア」高通気タイプ

「リブモア」高通気タイプ

 

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